something happy MAROUのカカオ
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something happy MAROU(マルゥ)のカカオ
ベトナム国内一貫生産 bean to bar「MAROU」。土壌ごとのカカオの個性を肯定し高品質なカカオを市場価格の2倍で買い取るなど、世界に影響を与え愛されるその姿勢には痺れるものがあります。酸味も渋味もある複雑で楽しい味のカカオとの出会いに感謝をこめて醸しました。
[仕込94号] [切り絵ラベル] 早川鉄兵 [名付け] 安藤克也
[原料米] SHIBATA GROUN MUSIC ありがとう米(滋賀県長浜市)
[カカオ] MAROU(ベトナム)[インポーター]合同会社ネネンプロヴィジョンズ
[品目] その他の醸造酒
[原材料名]米麹(国産米)、カカオパウダー(ベトナム産)、カカオニブ(ベトナム産) [内容量] 480ml [アルコール分] 9%
[製造年月]R7/1 [保存方法] 要冷蔵 5℃以下
\奇跡の出会いで出来ました/
【something happy MAROUのカカオ】小噺
2023年8月29日、湖のスコーレにて盟友「つけものびと」 @jin_nakagawa 仁くんの漬物教室が開催されました。終了後、醸造所店頭にお越しになられた参加者の1人が「以前からどぶろくのファンなのです。だから来ました」
それが、今回使わせていただいたベトナムのカカオMAROU @marouchocolate.jp のインポーター「ネネン」の久田さんとの出会いでした。
仁くんの漬物教室に来る経営者って結構珍しい。そして10分程度話をさせていただいて、あ、この人「人が好きなんだ」。
その時です。
「私、カカオのインポーターもしておりまして」
おおおおおおおお!この人の仕入れるカカオなら絶対間違いないよね。その場で「ぜひ使いたいです。」(言っちゃったよ、、、、)
その時は、MAROUというカカオメーカー、知らなかった。でも、久田さんとの会話の中で、「ハッピー太郎醸造所の方向とMAROUはぴったりだ」という彼の言葉に嘘がなさそうだった。直感を信じたんです。
すぐにカカオのサンプルを送ってくださったのですが、どぶろくって税務署管轄で「試作ができない。」えいやって思い切る何かが欲しい。そんなとき、20代からお世話になっている三重県安田屋の安田さんからお電話。「カカオのどぶろくやらへんか?」
2023年のサロン・デュ・ショコラ の「神楽坂ふしきの」ブースにて「something happy 赤丸薄荷」が提供されたのですが、2024年はカカオに挑戦してみないか、と。
ここだ。ここしかない。
ということで、改めてMAROUについて調べてみた。
MAROUは、2010年創業のベトナム国内で全ての原料調達から生産まで一貫して行なっているタイプの「ビーントゥバー」。そこそこ給料もらえる仕事だったフランス人2人がそれぞれ自分探しにベトナムを旅して、現地で出会ってしまい、そして高品質のカカオに出会ってしまった。きっとこれは「奇跡の出会い」なんだと感じたことなのでしょう。仕事を辞めて、ファクトリーをベトナムに作ることになりました。
彼らはカカオ生産に人がいることに気づいた。そしてカカオの栽培、発酵に愛情もって生産している人に出会ってしまった。だらこそ、世界の産業的にちょうど見捨てられそうになっていたベトナムという愛すべき国のカカオ農家さんをほったからしにできなかった。こんなに素晴らしいカカオを作っている人たちがいる。でも世界的に評価されていない。農家さんはそのカカオの品質にみあった暮らし向きであるべきだ。
彼らは地域ごとのカカオ豆「シングルオリジン」を大切にし、高品質のカカオを作れるよう農家さんと密接なコミュニケーションを図り、市場価格の2倍、アフリカの3倍という価格で買い取ることにする。そのお金が農家さんとその仲間に行き渡ることにもケアをする。
コミュニケーションを図るには、現地で買い取り、現地で加工するのが一番。それがそのカカオを育んだ土地でお金が循環するということでもある。
本当に、真っ正直に、まっすぐに、チョコレート業界の誰からも愛される仕事をされていのが、MAROUだそうです。
インポーターのネネン社長久田さんに聞きました。「どうしてMAROUと出会ったんですか?」
インポーターもある意味生産者であるはず。そしてインポーターにはリスクもある。真剣に付き合い売るのって大変だ。しかもネネンさんは、いわゆる「大手」ではない。数あるチョコーレトメーカーの一つとしての付き合いではなく、情報見てるとチョコレートをインポートしているのは現在2件だけ。よっぽど惚れ込まなきゃ「やろう」ってならないと思う。
本当はインポーターとしての付き合いが最初じゃなかったそうです。ベトナムに旅しようとしていたとき、彼は大阪でカヌレ堂 @caneledujapon という店をやっていてチョコレートにも興味があったから、そのときMAROUを知った。MAROU創業者2人が大阪に来ることを知ってアポを取って飲むことになった。
その時の出会いが奇跡で。
久田さんが配達で使っている車で迎えに行ったら、MAROUの2人がテンション上がってる。
「なんでフランスの昔のバンに乗ってるの?すげー、俺たちもめっちゃ好きなんだよ!」
と一気に意気投合。その夜の飲み会は、それはそれは楽しかったそうです。
人間関係が、先に、出来ていた。
そして現地に足を運び、農園からファクトリーまで全て見させてもらい、そこで働く人たちの楽しそうな本当の笑顔を見て、感激していたところ、MAROU側から「実は、日本のインポーターを探しているんだ」と。
久田さん、本当に迷ったそうです。自分なら誰かインポーターを紹介することもできる。資本のしっかりした大きな会社が取り扱った方が安心なんじゃないか。でもでもでも、彼らの素晴らしさを知っている。農家さん一人一人を見て、地域を想って、ベトナムへの愛、カカオの未来への展望を、チョコレートを通して表現している。何より彼らのことが人として大好きだ。
その彼らの想いを自然と大切にできて日本にご紹介できるのは、きっと、私たちなのではないか。覚悟を決めよう。
それが、「ネネン」さんが、久田さんが、「MAROU」をインポートすることになった理由なのだそうです。
久田さんは「カヌレ堂」@caneledujapon や「フードオーケストラ」@foodorchestra_ など複数経営しておりますが、どんなことが事業目的なのですか?
「奇跡は人との出会いであり、会社とは出会いたい人に出会える装置である」
「自由な人を育みたい。自分が進みたい方向に進めることが自由な人であるということ。」
出会いたい人に出会えるために、会社が増えてしまった、とにっこりする久田氏。
心が震える言葉をいただいた2時間でした。
ハッピーどぶろく、つけものびと仁くん、など発酵を通して出会った久田さんが取り扱うMAROU。
この「奇跡」に感謝して仕込みました。
MAROUのカカオニブで出汁をとり、そのまま浸漬して一緒に醸しました。最後にカカオパウダーで仕上げております。
MAROUのカカオはなんといってもフルーティな香りで、アルカリ処理をしていないため酸味もありますし、苦味も渋味もある複雑な味わいです。カカオニブの油脂分も溶け込み、とろっとしながらも、糀とカカオの酸ですっきり切れていき、カカオの香りが鼻から抜けます。
いろんな奇跡の出会い詰まったこのどぶろく。飲むデザートとしてもいけますし、酸も苦味もあるので濃いめの料理とともにいけます。みなさまのいろんなシチュエーションで、ご自由に、楽しんでくださいね。